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U.退職
●退職のルール
1.法律上の定め
ポイント1.労働基準法上は定めなし
意外なことですが、労働基準法には退職についての定めはありません。
労働基準法は労働者の保護を目的としていますので、労働者の自由意志が働く退職
については何ら制限をしていないのでしょう。
ポイント2.通常は就業規則による
労働基準法で定めていなくても就業規則を作成している会社は、就業規則に退職につ
いて定めています。
よく目にするのは、退職届の提出(退職の意思表示)は、退職希望日の1か月前が多
いようです。
恐らく、解雇予告制度が30日以上の予告期間を設けることになっているので、この裏
返しになるのでしょう。
解雇予告制度は、会社が次の就職場所を探す期間と考えられるし、労働者が退職す
る場合、会社は後任者を募集し補充する期間が必要です。
ポイント3.民法の定め
労働基準法で定めていなくても、民法において雇用契約について定めています。
雇用契約の解約の申し入れはいつでもでき、申し入れの二週間を経過すれば雇用契
約は解約になります。
なお、月給制などの期間をもって報酬を定めている場合には、次期以降について契約
の解約ができます。
しかし、その解約の申し入れは当期の前半でなければなりません。
つまり、月給制で賃金が月末締切のとき、当期の前半(15日以前)であれば月末で、
16日以降であれば翌月の月末で雇用契約の解約ができます。
(※月によっては若干前半のカウントが変わります。)
ポイント4.就業規則VS民法
就業規則に退職届の提出は、退職希望日の1か月前に提出しなければならないと
定められている場合、何がなんでも就業規則を守らなければならないか悩むところ
です。
結論から言えば、就業規則は守る必要はありますが、民法が優先するのは当然で
す。
しかし、退職は円満にすべきものです。
余程のことがない限り、就業規則を遵守しましょう。
ポイント5.退職届を受け取ってくれない
退職は自由です。
よって、ドラマにあるような退職届を受け取らず、あるいは破り捨てることは、認めら
れるものではありません。
会社としてできるのは、その退職の意思表示をした労働者へのお願いだけです。
最も退職届を受理しなくても、退職の意思表示をすれば、民法で定めるとおりに二週
間を経過すれば、雇用契約は解約になります。
後々のトラブル防止のため退職届を提出したいのであれば、配達証明付きの郵便で
会社へ送付する方法も考えられます。
ポイント6.退職届の撤回
退職することは自由であり、また同時に退職を撤回することも自由です。
一般には、退職届の提出によって、退職が成立するという独立行為ではなく、会社側
が退職辞令を交付するなど、これを了承したと意思表示することによって、退職が成立
すると考えられています。
よって、退職届を提出しても、会社側から何ら意思表示がない間は、いつでも退職の意
思表示を撤回できます。
しかしながらトラブルになりがちです。
退職届を提出後にこれを撤回する場合には、出来るだけ速やかに書類(できれば内容
証明)で意思表示しましょう。
ポイント7.今日で辞めますは損害賠償の対象
正当な理由がないにもかかわらず、今日で辞めますと言われる会社はたまったもので
はありません。
労働契約も当然契約ですから、会社は債務不履行によって損害賠償を請求することも
可能です。
ただし、請求できるのは実際に生じた損害金であり、いわゆる罰金などについては、認
められません
2.退職金・ボーナス
ポイント1.退職金については、就業規則で定める
退職金を支給する会社は、就業規則に適用される労働者の範囲、退職金の決定・計算
及び支払いの方法、退職金の支払いの時期に関する事項を必ず定めなければなりま
せん。
よって、原則として支給される支給されないなどのトラブルが発生しないと思われますが
就業規則の定めが不完全なためにトラブルが発生します。
こうなっては、解決が困難になります。
ポイント2.退職者のボーナスのトラブルは多い
ボーナスを支給するしないは会社の自由です。
会社とすれば、退職者に対してボーナスを支払うことは気分がよくありません。
そこで、ボーナス支給日以降に退職するにも関わらず、他の労働者には支給し退職予定
者に支給しないということさえあります。
こういった場合にも就業規則を見れば、支給日、対象者、対象期間については、定めてい
ても対象者のうち退職者の取扱いについて、中途半端な場合が多くあります。
ポイント3.ボーナス支給後の退職の意思表示
ボーナス支給後の一定期間内に退職の意思表示をした場合、ボーナスを全部または一部
返還させると会社もあります。
これでは、退職の自由が失われるだけでなく、損害賠償の予定ではないかと思います。
よって、個人的はこのような定めは、労働省通達の「賞与は原則として労働者の勤務成績
に応じて支給されるものであり・・・・」により無効であると考えます。
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